こんにちは、現在【歯科衛生士】として働いているhaniwao!です(´∀`)
妊娠中だって体のトラブルは起こりますよね。
その中に歯に対するトラブルもあると思います。

前から何度か違和感があった親知らず…
今までは何日か様子を見ていれば良くなったのに、今回は痛みが強くて中々落ち着かない!
しかも今、妊娠しているから痛み止めも飲めない…
歯医者に行っても妊娠している事で治療はしてもらえるのかわからないし…
と、どうしたら良いのか迷われる方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、
- 妊娠中でも親知らずを抜けるのか
- また、妊娠超初期〜後期まで歯科治療に最適なタイミングは?
- 麻酔やレントゲン、服用する薬など、赤ちゃんにリスクはないのか
- 逆に出産前に抜くメリットはあるか
など、妊娠中の親知らずにまつわる疑問を【現歯科衛生士】であるhaniwaoが解説して行きたいと思います。
妊娠中の抜歯についてのみ知りたい方は、目次で後半部分から確認してくださいね(^-^)/
親知らずとは?どうして痛みや腫れが出やすいの?
親知らずについての基礎知識
親知らずとは、歯並びを左右半分に分けた時に、真ん中から奥に向かって数えて8番目の歯をいいます。
7番目の歯までは多くの人が13歳前後に生え揃うのに対し、8番目の親知らずが生え始めるのは早くても20歳前後です。
しかも綺麗にまっすぐ生える人も居れば、一生出てこず歯茎の中に埋まったままの人もいます。
なぜ生えたり、生えなかったり、また半分だけ生えたりしてしまうのか?
それは、昔の人に比べて食生活が変わった事で、現代人が顎が小さくなった事に関係します。
そう、生えてくるスペースが無くなったので、綺麗に生えない場合が多くなったです。
どうして親知らずは痛みや腫れが出やすいのか?
親知らずに「痛み・腫れ」が出やすいのは、生え方による影響が大きいです。
原因として、以下の2つが考えられます。
- 奥に生え過ぎていて歯ブラシが届きにくい=細菌まみれになる
- 半分しか生えなかったので歯茎が帽子のように被さっていて、その隙間に細菌がたまる。
細菌(汚れ)が溜まったまま長期間過ぎてしまうと、そこから虫歯になったり、歯茎が晴れる歯肉炎という状態になってしまいます。
生え始める時期も成人を超えてからと遅く、中には少ししか出てこない場合もあるので、そもそも生えている事にすら気付かない人もいます(^_^;)

ちょこっと生えてるだけだと気付けないし、磨けませんよね。
『抜く』か『治療して残す』かセルフ診断してみよう!
親知らずの治療方法は『抜く』か『治療して残す』かどちらかになります。
親知らずを抜かずに治療して残した方がいい場合ってどんな時?
残した方がいい条件として3つあります。
1、綺麗に歯列(歯並び)がずれる事なく完全に生えている時
2、対になる噛み合わせる歯がしっかりある時(上下)
3、大きさもそれなりにあり、磨ける位置にある時
しっかり上下で噛んでいて、なんとか自分で磨ける場合は残しておく方がメリットが大きいです。
また、親知らずの大きさがそれなりにある場合に限りますが、他の歯を抜いた時に親知らずを移植できる場合もあります。
歯を損失してしまった時に、噛み合わせを補う治療は必要です。
保険で治すならブリッジと言って両隣の歯を削ってつなげる方法と、
保険外で治すならインプラントのような人口歯根を入れる方法があります。
デメリットとしては、ブリッジであれば健康な歯を削らなければならない事、インプラントであれば保険が効かないので何十万も費用が掛かってしまう事があります。
その点を考慮すると、親知らずの移植であれば保険が効くため大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
親知らずを抜いた方がいい場合
抜く方がいい条件として4つあります。
1、歯茎が被って完全に生えていない場合
2、歯列(歯並び)からズレて生えている
3、磨きずらい場所にある
4、噛み合わせる反対の(上下)の歯が生えていない or 噛んでいない
この場合は早めに抜いてしまう方がメリットが大きいです。
親知らずがうまく磨けない事によって、手前の歯も細菌が溜まり虫歯や歯周病になることがあります。
はっきり言って2次災害です(ノД`)
また、上下反対の親知らずが生えていない場合も、うまく噛んでいないので機能していないと同じことです。抜いた方がいいでしょう。たまに上下反対の歯茎が親知らずによって傷ついて腫れる事もあります。
セルフで腫れを引かせる『方法・予防法』はある?
残念ですが、虫歯で親知らずに大きく穴が開いてしまったことで腫れて痛みがある場合は、歯科医院で治療するしか治す方法はありません。
しかし、細菌(プラーク)が歯茎の隙間に入り、少し歯茎が腫れてしまった場合は、自分で痛みや腫れを落ち着かせる可能性があります。
親知らずに溜まった汚れが原因なので、歯ブラシで丁寧に汚れを落とせば数日で腫れが収まることがあります。
ただし親知らずは大抵奥の磨きにくいところに生えているのでかなり磨きにくいです。
オススメは「ワンタフト」という種類の小さい歯ブラシがあるのでそちらで細かく動かして磨くとピンポイントで磨きたいところに当たるので磨きやすいです。(↓こちらがワンタフト。ドラックストアでも販売しています。)
更に消毒効果のある「デンタルリンス」や「イソジン」などのうがい薬を歯磨き粉がわりにつければ腫れも落ち着きやすいです。
また、こちらの「コンクールF」は歯科医院でよく処方される歯周病用うがい薬です。
親知らずの腫れも歯周病の原因菌が関係しているので効果が期待できます。原液で歯磨き粉と同じように歯ブラシに垂らして、腫れ気味の親知らずを磨くといいでしょう。
親知らずの周りをワンタフトで毎日磨いて、綺麗に保てれば腫れの予防にもなります。軽い腫れなら次の日には落ち着いていることもあります。
しかし、ワンタフトを使ってうがい薬で消毒しても自分で隙間の汚れをしっかり取れない場合もあるので、あくまでも1つの方法としてとどめておいてくださいね。
また、もし強い急性的な腫れが出てしまった場合は、頬を少し触るだけでも相当痛いです。
加えてすぐには腫れが引きにくいと考えらる為、迷わず歯科医院に連絡しましょう。
妊娠中の歯科治療は胎児に影響を与える?
妊娠中に歯が痛んだ場合、歯医者に行きたいけれど胎児には影響がないか心配ですよね。
特によく挙げられる不安要素としては、
・局所麻酔
・レントゲン
・処方される薬
の3つがあります。
妊娠中の局所麻酔について
基本的に局所麻酔に関してはどの時期にしても問題ありません。
ただ、妊娠初期の場合、治療自体がストレスになったり、つわりが酷いと大きく口を開けたり、器具が口の中に入るだけでも気持ち悪くなったりするのでなるべく避けた方がいいです。
妊娠中のレントゲンについて
妊娠中のレントゲンも何も問題ありません。
特に最近のレントゲンはデジタル化された医院も多く、昔に比べて被曝量は約1/10ほどと少なくなっています。
歯科で一番大きい顎を全体的に写せるレントゲンでさえ、飛行機に1回乗るよりも被曝量が少ないと言われています。
また、放射線に配慮して防護エプロンもつけるのでお腹も防御されます。
妊娠中の薬の服用について
妊娠中の薬の服用ですが、こちらは注意が必要です。
妊娠の可能性があるなら飲める薬が限られているので医師に伝えましょう。
ちなみに、主に歯科で出される薬は痛み止めと抗生物質です。
抗生物質はセフェム系とペニシリン系、痛み止めはカロナールなどのアセトアミノフェン系の薬は妊娠中にも服用できるものだと言われています。
妊娠中に親知らずが痛い!妊娠期間それぞれの歯科治療法は?
親知らずが痛むのは、虫歯で穴が空いている場合と、歯肉炎で歯茎が腫れた場合が考えられます。
考えられる歯科での治療方法は妊娠時期によって違います。
妊娠初期(2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月)
基本的にこの時期は胎児の器官が作られる大切な時期です。そしてツワリも有る方が多い事と、治療自体が精神的なストレスになる場合もあります。
そのような理由でこの時期での歯科治療は、よっぽどのことがない限り応急処置をする歯医者が多いです。
応急処置の方法は以下が考えられます。
【虫歯で穴が開いて痛い場合】
【歯茎が腫れた場合】
妊娠中期(5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月)
妊娠中に歯科の治療をするなら妊娠中期が推奨されています。
親知らずに関わらず、他にも虫歯があるならこの時期にまとめて治療しましょう!
上記で説明しましたが、妊娠中でも麻酔やレントゲンはもちろんのこと、服薬も使えるものがあります。
親知らずを抜くのもこの時期であれば問題はないと言われています。
ちなみに抜く場合の具体的な流れはこちらです↓
【親知らずを抜く場合の治療の流れ】
(当日)
30分から1時間程度で終わります。
(翌日)
(約1週間後)
妊娠後期(8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月)
妊娠後期ではお腹も大きくなることから、仰向けに長時間なる歯科治療は体への負担が大きくなります。
また、10ヶ月にもなるといつ生まれるか分からない時期なので、なるべく治療は避けた方がいいでしょう。
しかし痛みがよっぽど辛い場合は治療は不可能ではないので、かかりつけの歯医者に確認してみて下さいね。
妊娠中に親知らずを抜くメリットってある?
何人もの親知らずが痛んだ患者さんを見る限り、歯磨きもしにくい、何度も腫れる、虫歯になる様な親知らずはなるべく早く抜いたほうが良いと考えます。
一度腫れるとまた痛み出す人が殆どですし、痛みの辛さだけではなく、その都度時間とお金もかかってしまいます。
妊娠してから症状が出てしまった時は、抜ける状況なら妊娠中に抜いたほうがいいでしょう。
というのも、出産してからは、初めての育児・毎日の寝不足・授乳の時間・少し離れるだけでも赤ちゃんが泣いてしまう・いつ機嫌が悪くなるか分からない事が日常茶飯事だからです。
そんな中で、歯医者に通うのは結構大変(^_^;)
幼稚園に入る3、4歳ころにはやっと自分の時間が持てる様になりますが、それまでにまた歯茎が腫れないという保証もありません。働いている方は余計歯医者には通いにくいかも。
子供のことで手一杯で自分の歯磨きは十分に時間が取れない場合もあります。
そういう点を考えると、妊娠中に親知らずを抜くことは大きなメリットといえるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
ただでさえあまり行きたくはない歯医者。
しかし親知らずの痛みを我慢していると、たまに顎が開けられないほど頬も腫れて痛み止めを飲んでも全く効かないくらい痛み出す時もあります。
酷くなる前に、妊娠中に少しでも歯が痛み出したら先ずは歯医者に電話してみましょう。
また、妊娠中は普段口の中にいる常在菌のバランスが変わって歯茎が腫れやすい時期でもあります。加えてつわりで十分に磨けないと、どんどん古い硬い汚れも溜まってきてしまいます。
そして歯の汚れは歯周病の原因にもなりますが、歯周病の早産へ与えるリスクは喫煙者以上に有ると言われています。
ですから特に症状がなくても妊娠中期の安定期に入ったら、一度歯医者に検診に行くことをオススメしますヽ(´▽`)/
それではここまでご覧いただきありがとうございました!
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