
こんにちは、歯科衛生士歴10年のhaniwao!です。
虫歯以外のお子さんのお口のトラブルとして、歯の外傷はつきもの。
特につかまり立ちの頃から小学生の間くらいまでは、転んでしまったり、お友達と遊んでいる間に歯をぶつけて出血してしまう事が少なくありません。
(大人でも酔っぱらって思いっきりぶつけてしまう人もいますけどね!笑)
少しぶつけて痛みもすぐ無くなる程度なら心配はないかもしれませんが、
・ご飯の時間にぶつけたところを痛がる
・少し様子を見たら血も落ち着いてきたけど結構切れている
・歯がぐらついている
・歯が少し欠けてしまっていた
など、どのくらいの傷のレベルで歯医者に受診すべきか悩みよね。
そこで今回の記事では
・何科の歯科医院に受診すればいいのか?
・ぶつけた時に歯医者に行く目安はどのくらい?
・どういう処置をするのか?
・ぶつけてしまった歯は今後どのようなことに注意して経過をみるのか?
を詳しくご紹介したいと思います。
しかしあくまで目安なので、しっかりとした診断は是非歯医者で診てもらってくださいね。
子供が歯をぶつけた時、一般歯科?小児歯科?口腔外科?どこに行くのが正解?
結論から言うと、どこの歯科でもOkです。
一般・小児歯科・口腔外科どこの歯科医院でも、歯をぶつけた時の処置が出来る設備は整って今ると思います。
かかりつけの歯科医院があるならそちらに連絡してもいいですし、早く診てもらえるのなら近くの歯科医院でも大丈夫です。
基本的にどこの歯科医院も予約制をとっているところが多いので、余裕があれば一度電話で確認すると安心です。
子供が歯をぶつけてしまった時!歯科へ行く目安は?
【自宅で様子をみても大丈夫そうな場合】
特に気になる所が無ければ様子をみても良いでしょう。
1週間後くらい経って問題なければヒビが入っている心配も少ないです。
稀に1年以内に歯が黒っぽくなってきたり、ぶつけた歯の根元辺りの歯茎からニキビの様な白いものが出来る時があります。その場合は歯の神経にダメージがあるので、痛がらなくても早めに歯科医院へ受診してください。
【一応歯医者に受診したが良さそうな場合】
一見大丈夫そうでもダメージがあるかもしれないので、念のために歯科医院へ受診することをおススメします。
【すぐに歯医者に受診した方が良さそうな場合】
歯が動いていると脱臼のようになっている可能性があります。
揺れていると思ったら歯茎の中側で歯が割れている可能性も…。
痛みがすぐ引かないようなら歯の神経が出ている可能性もあります。
出来ればその日か、遅くても次の日には歯科医院を受診しましょう。
また、血が出て痛がって見せてくれなかったり、触らせてくれないようなら歯科医院で診てもらった方が安心でしょう。
【緊急!今すぐ歯科医院へ!歯が根ごと抜け落ちてしまった場合】
こんな場合はその日のうちに出来るだけ早く歯科医院へ受診してください。
歯茎の中にとどまっている場合は、なるべくそのまま触らないで歯科医に診てもらいましょう。
また、もし抜け落ちてしまった場合は戻せる可能性もあります。
その時に大切なのは歯を乾燥させないことです。
・なければ牛乳 or 口の中に入れて持っていく
様にして下さいね。
ぶつけてしまった時の治療はどんなことをするの?
大体は消毒をするだけです。ばい菌が入らないようにイソジンなどのうがい薬を勧められる場合もあります。
歯にひびが入っていないか、脱臼していないかをレントゲンで確認した後、割れていなければグラグラが落ち着くまで固定します。
固定方法は、隣の揺れていない歯とグラグラの歯を歯科用のボンドでくっ付ける処置です。
揺れ具合にもよりますが、大体2週間~2ヶ月位固定したまま歯の揺れが無くなるまで様子をみて、その後問題なければボンドを外します。
歯の欠けがとても小さければ角を丸めて処置は終わりです。
また、神経まで欠けていないくらいの大きさなら、歯科用の白いプラスチックで補修出来るので一回の治療で済みますよ。
神経まで見えている場合は「根の治療」が必要になるので、数回歯科医院へ通って治します。
抜けてしまった時の治療はどんなことをするの?
乳歯の場合
まず歯茎の中に永久歯がないか・根っこの欠片が残っていないかなどをレントゲンで調べます。
もし歯茎のすぐ下に永久歯が待機しているようならそのまま消毒をして生えるのを待ちます。
まだ永久歯が生えるまでに時間がかかるようなら、隣の歯が抜けたところに寄ってきてしまう可能性があるので寄らないように装置を付けることも有ります。
永久歯の場合
抜けてしまった永久歯の根の部分にヒビが無いようなら、再度移植(再植)できる可能性があります。
※再植には歯根膜(歯の根の周りにくっ付いている肉の様なもの)が必要です。
洗ったりせず、生理食塩水or口の中or牛乳の中に歯を入れて歯科医院へ持っていきましょう。
再植後は固定して歯がくっつくのを待ちながら、根の治療も行うので数回の通院が必要になります。
もし歯の根元にひびが入っていたら再度移植することは難しいでしょう。
抜けた歯の代わりに何か補う治療が必要となります。
年齢によって治療法は変わりますが3つの方法が考えられます。
❶ブリッジ(両隣の歯を一周削り繋げて歯があるように見せる方法)/保険適用可
❷入れ歯(隣の歯を削らずにバネをかけて補う方法)/保険適応可
❸インプラント(人工の歯を埋める方法)/保険適応外
インプラントは殆ど天然の歯と見分けがつかないくらいキレイで噛みやすいですが、子供のうちはあごの骨がまだまだ成長するので出来ない場合もあります。
最後に…思い悩まないように
いかがでしたか?
今回は子供が歯をぶつけてしまった時についてのお話でした。
中にはお子さんが歯をぶつけてしまって処置が必要になってしまい、「自分がしっかり見てなかったせいだ…」とママやパパ、保護者の方が思い悩んでしまう場合もあります。
でもそんなに思い悩まないで下さいね。
今の時代、ぐらついても固定をすればしっかりくっつく場合が殆どですし、欠けてもキレイに修復・維持する技術もあがっています。
もし神経が死んでしまったとしても、保険外にはなりますが天然の歯と見分けがつかないような被せ物を入れることだって出来ます。
一番大切なのはしっかり歯を観察して心配ならすぐ歯科医院へ受診、適切な処置をしてもらうことです。
分からない場合は、最寄りの歯科医院へ電話してどうすればいいのか聞いてみるのもお勧めです。
お子さんの歯が早く治りますように。
それでは最後までご覧頂きありがとうございました。
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